【徹底レビュー】Pixio PXC328を実際に使ってみた!ゲーマー向け32インチ180Hz湾曲モニターの実力は?

近年、ますます進化を続けるゲーミングモニターの世界。高リフレッシュレートや高解像度は当たり前となり、没入感を高める湾曲ディスプレイも人気を集めています。今回、注目したのは2025年5月にPixioから発売された32インチ、180Hz対応の湾曲ゲーミングモニター「PXC328」。
果たしてその実力はいかなるものなのでしょうか?実際に数週間使用してみた感想を、レビューしていきます!
(Pixio様より商品「PXC328」をご提供いただきました)

メーカー Pixio
モデル名 PXC328
ディスプレイサイズ 31.5inch 湾曲モニター
リフレッシュレート 180Hz
応答速度 1ms(GTG)
ディスプレイ Fast VA
解像度 2560 x 1440p
外装
ゲーミングデバイスを選ぶ上で、性能はもちろんのこと、所有欲を満たすデザインも重要な要素です。まずはPixio PXC328のパッケージから、その外観、そして同梱物をチェックしていきましょう。
PXC328のパッケージは、赤を基調としたスタイリッシュなデザイン。正面にはPixioの社名が大きくプリントされており、商品が到着した時から気分を上げてくれます。
開封
梱包はモニターの湾曲に沿った発泡スチロールに包まれており、繊細な湾曲モニターをしっかりと保護しています。モニター本体を取り出してみると、まずその大きさに圧倒されます。32インチという大画面でありながら、スタイリッシュな印象を受けます。ディスプレイの縁部分は約7mmと一般的な幅。緩やかなカーブを描く湾曲ディスプレイ(1500R)は、このサイズ感で湾曲となれば見る者を包み込むような没入感を予感させます。
同梱物
モニター本体以外には、スタンド、電源ケーブル、DisplayPortケーブル、そして取扱説明書が同梱されています。DisplayPortケーブルが標準で付属しているのは嬉しいポイントですね。別途購入する必要がないので、開封してすぐに高リフレッシュレートでのゲームプレイを楽しむことができます。取扱説明書は硬質でブラックの一枚モノで、組み立て方法とWEBマニュアルのQRコードが記載されています。
説明書
Display Port 1.2ケーブル x 1
電源アダプター
モニタースタンド
電源アダプターはコンセント側コード(太い)は1.5m、モニター側コードは1.0mあります。コンセント側は太い分コードの硬さがありますので配線整理は少し工夫が必要そうです。
※付属品の画像はタップして拡大できます。
インターフェイス
背面には、DisplayPort 1.4が2つ、HDMI 2.0が2つ搭載されています。PCだけでなく、PS5やXbox、Nintendo Switch2といった最新のゲーム機とも複数の接続可能です。複数のゲーム機やPCを接続して切り替えなく使用できる、十分なポートが用意されています。またスピーカーは搭載されていませんが、3.5mmのオーディオ出力端子が搭載されています。端子は下向きに配置されているので設置の際には壁ギリギリまで設置することができます。設置後の入力ポート切り替えは背面コントローラーを使って簡単に切り替えることができます。
Display Port 1.4(180Hz) x 2
HDMI 2.0 (144Hz) x 2
3.5mmイヤホンジャック x 1
モニタースタンド
スタンドは3点で支えるタイプで、エッジのあるゲーミングデザインです。調節は上下のみの可動が可能です。下は若干、上には10度程度稼働します。
ケーブルを収納するケーブルスリーブはありませんのでケーブルマネジメントが必要です。奥行きは251.4mmあるのでその分デスクスペースを占有します。狭いと感じる方はVESAマウントにも対応しているので、モニターアームを使用して少し奥に配置することをおすすめします。Pixioから発売されているモニターアームを使用することでデスク環境に統一感を出せます。
モニター本体
本体サイズ 711.0mm x 422.7mm x 97.7mm
本体サイズ スタンド使用時 711.0mm x 525.9mm x 251.4mm
本体重量 5.8kg
モニター本体を取り出してみると、まずその大きさに圧倒されます。32インチという大画面ながら、ベゼルレスデザインのおかげで圧迫感は少なく、スタイリッシュな印象を受けます。
ベゼルの内側のディスプレイの縁部分は約7mmと一般的なサイズとなっています。
緩やかなカーブを描く湾曲ディスプレイ(1500R)は、デスクに置いた際に自然なフィット感があり、見る者を包み込むような印象です。特にゲームプレイ時には、視界全体が画面で覆われるような感覚になり、平面ディスプレイでは味わえない臨場感があります。この湾曲を活かしてデュアルディスプレイ環境にすることでより没入感を得られるでしょう。
背面のデザインはパネルラインのようなデザインがされており、正面下中央にはPixioのロゴが刻印されています。
・気になる”輝度漏れ”は・・・
PXC328はフラットモニターと違って湾曲している構造上どうしても複雑かつ不均一な圧力がかかるため輝度漏れのリスクありますが、今回の検証期間の1ヶ月、取り付け作業一回では発見されませんでした。
背面にはパネルラインのようなディテールと逆Vのようなのデザインが施されており、中央にはPixioのロゴがデザインされています。三角を基調としたスタンドと一体となりゲーミング感を演出しています。また背面にはコントローラーと盗難防止用装置の取り付け穴が搭載されています。
操作パネル
PXC328は各種設定を変更することで用途に応じたカスタマイズが可能です。モニター裏のコントローラーを操作して設定を変更できます。正面から操作しやすいように右手でちょうど届く位置にあり簡単に操作ができます。
メーカーによってはモニター下に操作ボタンがありますが、この場合手をひねる必要があり意外と操作しずらいんです。
コントローラーを押し込むことで操作パネルが画面右下に表示されます。表示されたら上下で選択。右を押して選択、左を押して戻る操作となります。

設置が完了したらまずは、自分の好みの設定に変更してみましょう。
背面のコントローラーは押し込む前に、上下左右に操作することでクイックメニューが表示されます。使用頻度の高い項目はここで簡単に変更することができます。

PXC328の性能
表現 HDR
輝度 350nits(MAX)
コントラスト比 3500:1
Adaptive Sync Free Sync
色域 sRGB126.560%
ここでPXC328の設置例として、私のデスクをご紹介します。デスクが大きめなので大型湾曲32インチでも綺麗に配置できていると思います。右側に18インチモニターを縦置きし、下にiPad PROを設置しデュアルディスプレイ環境にしています。右側のサブモニターを湾曲に合わせて配置することでより没入感を得られるようになりました。
※タップして画像が拡大できます。

1500Rの湾曲で綺麗なカーブを描いておりインテリアとして馴染んでくれます。

湾曲も緩やかでありデスクを圧迫することはありません。

正面から見た時には湾曲していることを強く感じることはありません。
180Hzの威力
ゲーミングモニターの真価は、やはりその描画性能にあります。Pixio PXC328が謳う180Hzの高リフレッシュレートと高速な応答速度は、実際のゲームプレイにおいてどのような影響を与えるのでしょうか?
実際に180Hzに対応したゲーム(Apex Legendsなど)をプレイしてみると、その滑らかさに驚きました。以前使用していた4K 60Hzのモニターと比較して、画面のスクロールやキャラクターの動きが格段にスムーズになり、まるで別世界のように感じられます。特に動きの激しいFPSゲームなどでは、敵の動きをより早く捉えやすくなり、わずかな差が勝敗を分けるような場面で大きなアドバンテージとなります。一度180Hzの滑らかさを体験してしまうと、もう60Hzには戻れないと感じるほどです。

応答速度1msを体感
応答速度もゲーミングモニター選びの重要なポイントです。PXC328の応答速度について、高速な動きが求められるFPSゲームにおいても、気になる残像感はほとんどなく、クリアでシャープな映像を維持してくれました。
これにより、動きの速い敵を正確に追尾することができ、プレイの精度を高めることができました。特に、激しいマウス操作や画面の切り替えが多い場面でも、映像のブレが少なく、快適にプレイできました。
FreeSyncの効果
PXC328は、FreeSync に対応しているので、PCのグラフィックボードとモニターのリフレッシュレートを同期させ、画面のチラつきやカクつき(ティアリング)を抑制することができます。実際にプレイした際にもティアリングを感じることなくプレイに集中できました。
大型湾曲モニターを体感
PXC328の大きな特徴の一つである湾曲ディスプレイは、ゲームプレイにどのような影響を与えるのでしょうか?その没入感を体験してみました。
視野角の広さと視認性
湾曲ディスプレイでFPSゲームをプレイすると、平面ディスプレイと比較して、画面全体が視界に自然と収まるため、よりゲームの世界に入り込んだような感覚を覚えます。感覚としては画面端の映像が目に飛び込んでくるようです。特に周辺視野が広がることで、敵の接近に気づきやすくなる場面もありました。また、画面端の情報も視線移動が少なく確認できるため、索敵の面でも有利に働くと感じました。

動画・映画視聴で使ってみた
ゲーミングモニターとしての性能が高いPXC328ですが、普段使いにおいても快適に使用できるのでしょうか?動画視聴やリモートワークなど、ゲーム以外の用途での使い勝手をチェックしてみました。
結論、32インチの大画面と湾曲ディスプレイは、動画視聴や映画鑑賞においてもその力を発揮してくれました。視野いっぱいに広がる映像は迫力満点で、まるで映画館のような臨場感を自宅で手軽に楽しむことができます。特に、シネスコサイズの映画を視聴する際には、黒帯が気になりにくく、映像に集中できました。

画面分割で作業効率はあがる?
リモートワークで使用してみたところ、32インチの大画面は複数のウィンドウを同時に表示するのに非常に便利でした。Windowsのスナップ機能(画面分割)などを活用すれば、資料を見ながらの作業や、ビデオ会議とドキュメント作成を同時に行うなど、作業効率の向上に貢献してくれました。湾曲していることで、画面端の表示も見やすく、視線移動も比較的スムーズでした。

長時間の作業でも疲れにくい?
湾曲ディスプレイでのテキスト表示の見やすさも気になるところです。実際に長時間の文章作成やウェブブラウジングを行ってみましたが、文字サイズなどにもよりますが若干カクついてみえますのでこの点においては4Kに軍配があがるところとなります。また、直線を多用する作業では、慣れが必要かもしれません。
一方で画面全体が自然な距離感で視界に収まるため、目の動きが少なくすみ、目の疲れも少ないようにも感じました。

製品保証
Pixioの製品は他社と比べてコストパフォーマンスに優れています。これは不要な機能を減らし、必要な機能にコストをかけているため実現できています。その一つがスピーカー未搭載です。FPSなどにある程度真剣にプレイするユーザーはモニターのスピーカーを使わずヘッドホンなどを使うことがないのでスピーカーが無くてもよい!というロジックですね。とわ言えこの価格大丈夫?と思ってしまう方もいると思います。
そこは安心してください。Pixioの液晶モニターは2年間の保証が付いていますので、安心して購入できます。
また公式ストアでの購入の場合はプラス1年間延長保証されますので、最大3年保証をうけられるので安心して購入ができます。
Pixio PXC328のメリット・デメリット
数週間の使用を通して、Pixio PXC328の様々な側面が見えてきました。最後に、そのメリットとデメリットをまとめ、総合的な評価をお伝えしたいと思います。
ここが魅力!
- 180Hzの高リフレッシュレートによる滑らかなゲーム体験は、一度体験すると手放せない
- 高速な応答速度(1ms)により、動きの速いゲームでもクリアでシャープな映像を実現
- 32インチの湾曲ディスプレイ(1500R)による高い没入感は、ゲームの世界への没入度を格段に向上させる
- FreeSync に対応し、ティアリングを軽減した快適なゲームプレイが可能
- DisplayPortとHDMIポートを搭載し、PCやゲーム機など多様なデバイスとの接続に対応
- ゲーム用途だけでなく、動画視聴やリモートワークなど、幅広い用途で快適に使用できる
- スタイリッシュなベゼルレスデザインとVESAマウント対応で、設置場所を選ばない
気になる点
- 内蔵スピーカーは搭載されていないため、別途オーディオ環境を用意する必要がある
- スタンドの上下の角度調節はあるものの、左右の首振り、高さの調節機能は搭載されていない
- USBポートがないため、モニターにUSBデバイスを接続したい場合は注意が必要
USB-Cがないためモニターからの給電はできません。
MacBookなどのノートPCを外部モニターと接続する場合は、映像出力に1ポート、給電用に1ポートと合計2ポートを使用してしまいます。給電と映像入力が同時にできるUSB-Cポートを搭載しているモニターであれば問題ないのですが、給電機能があるモニターは高額のものが主流です。
そこでモニターに給電機能がない時でも、USB-C一本で出力給電をしたいのであればAnker『Nano USB-c & HDMIケーブル』を使えば実現可能です。
ケーブルのUSB-C側をPCと接続し、反対のHDMIはモニターに接続し、搭載しているUSB-C(メス)に給電用のケーブルを指して完成です。これで一本で映像出力と給電が可能になります。
総合評価
総合評価:PXC328はどんな人におすすめ?
これらのメリット・デメリットを踏まえ、Pixio PXC328は高リフレッシュレートによる滑らかなゲーム体験と、湾曲ディスプレイによる高い没入感を求めるゲーマーの方に、非常におすすめできるゲーミングモニターと言えるでしょう。
また、32インチの大画面は、ゲーム用途だけでなく、動画視聴やリモートワークでの作業効率向上にも貢献するため、幅広い用途で高性能なモニターを求めている方にも魅力的な選択肢となるはずです。
内蔵スピーカーやスタンドの可動域など、一部機能に限りはあるものの、その優れた基本性能と価格を考慮すれば、非常にコストパフォーマンスの高い製品と言えるでしょう。